レンタルサーバー選びでつい見落としがちな「回線速度」問題

CIX server installation - frontCIX server installation – front / Tom Raftery

先日、ネット上で新サービスを立ち上げる際にレンタルサーバー、特に今回はVPSという、サーバーの管理者権限が持てるサービスを契約しました。

VPSの何がいいかというと、PHPなどのプログラムで構築したサービスの状態(エラー監視など)を詳しく把握できたり、足りないソフトウェアを自分で追加できるメリットがあります。 これは安価な共有レンタルサーバーよりも格段にサービスが構築しやすいことを意味します。

そしてそのVPSサービスを選定する作業が最も重要なのですが、一般的なプロモーションページには次のような項目を掲載して差別化を図っています。

一般的なVPSアピール項目

  1. 価格(初期費用、月額費用)
  2. CPUスペック+コア数(頭の回転の速さ)
  3. メモリ(多ければ多いほどアクセスユーザーを同時に受け入れられる)
  4. ハードディスク容量
  5. 選べるサーバーOSの種類
  6. 拡張性(CPUコア数やメモリ、ハードディスク容量など)
  7. サポート体制(電話、メールなど)
  8. サーバー操作用のコントロールパネル(ブラウザで大体のサーバー操作が行える)

server-queen-vps.pngいろいろなVPSサービスを検討した結果、料金も安く、CPUやメモリも十分で、WEBクリエイターには有り難いサーバー用のコントロールパネル「Plesk」が付いている「ServerQueen」のVPSサービス「QV-01」を契約。

仕様としては全く問題のないサービスだと思っていました。

見落としていたアクセス・スピード問題

ところが!実際に利用してみるととんでもなく回線速度が遅い…

詳しく調べてみると、契約したサーバーはアメリカにあり、自宅から19台ものルーター(ネットワーク上の中継点)を経由していることが判明しました。

サーバーを海外に置くメリットとして、その国のユーザーをメインユーザーにする事や、日本が災害にあってもサービスを提供し続けることができる事が挙げられます。

pingコマンドで調べてみると応答の遅さも判明。 現在契約中のサーバーが国内にあるサービスとは明らかに異なっています。

各サービスごとのping実行結果

asahi-netのBフレッツ回線からの測定

サービス名 場所 応答1 応答2 応答3 応答4 平均
RapidSite(国内VPS-S) 日本 9ms 9ms 12ms 9ms 9ms
ハッスルサーバー 日本 27ms 19ms 14ms 16ms 19ms
ロリポップ 日本 7ms 8ms 8ms 8ms 7ms
ヘテムル 日本 14ms 16ms 16ms 16ms 15ms
ServersMan@VPS 日本 11ms 12ms 11ms 11ms 11ms
さくらのVPS 日本 18ms 15ms 16ms 16ms 16ms
クララオンライン(Flex mini) 日本 6ms 8ms 8ms 7ms 7ms
ServerQueen(QV-01) アメリカ 126ms 131ms 147ms 146ms 137ms

これはWebページだけでなく、埋め込まれている画像ファイルやCSSファイルをそれぞれダウンロード時に最低これぐらいは時間がかかることを意味します。

実際のダウンロードスピードもチェック

ただ、これだけでははっきり「回線速度が遅い」とは言い切れません。 反応速度が遅いだけで、ダウンロードが高速かもしれませんから。 あまりない例ですけどね…

ダウンロード速度も調べてみました。 簡単なHTMLページに300KBの画像を埋め込んだものをブラウザで表示させ、FireBugでプロファイリングしてみた結果がこれ。

各サービスごとのページダウンロード結果

サービス名 HTMLページ 画像(300KB)
ハッスルサーバー 266ms 515ms
ロリポップ 31ms 437ms
ヘテムル 31ms 453ms
ServersMan@VPS 344ms 454ms
さくらのVPS 360ms 484ms
クララオンライン(Flex mini) 31ms 422ms
RapidSite(国内VPS-S) 31ms 375ms
GMOクラウドVPS(マイクロ) 375ms 250ms
ServerQueen(QV-01) 1,140ms 3,980ms

やはり海外サーバーは段違いに遅いです。 これははっきり体感速度として現れます。 まだファイル2つをダウンロードした結果ですが、実際は数十ファイルをダウンロードしますし、容量も1ページあたり500KB~1MBはありますから、ユーザーのストレスも大きくなります。

また、GMOクラウドVPSの回線速度の遅さも気になりますね。 サーバーは国内にあるのですが、転送速度が遅いため、軽量のHTMLファイルは問題ないものの、300KBの画像になると、数秒かかってしまっています。

GMOクラウドVPSは最近問題ないレベルに改善されてきました。

公開事例や体験版ではまず回線速度のチェックを

ついつい安く、CPUやメモリなどのサーバー自体のスペックを重視してサービス会社を選定しがちですが、安い裏には必ず理由があります。

その理由が回線速度にあるのであれば、CPUやメモリがどんなに強力でもユーザーに満足してもらえるサービスは構築できません。

もし、検討しているサービスと同様のサービス事例や、個人が公開しているサイト等があれば、ぜひ上記2つの方法(ping、ページ表示)だけでも良いので回線速度のチェックを行うようにしましょう。
そしてサービスに無料体験期間があるならば、なるべく利用してみてください。

みなさんもレンタルサーバーを選定する際には十分ご注意くださいね。

このページをシェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

2012-02-08