Redmineの導入が本当に必要かどうかを判断するポイント

オープンソースのプロジェクト管理ツールとして確固たる地位を築いているRedmineですが、サイボウズやMS Project、Backlogなど、いろいろなプロジェクト管理ソフトがある中でRedmineを選ぶ理由はなんでしょうか?

今回、私(=PM/技術責任者)がRedmineの導入を決断する判断となったポイントを述べていこうと思います。どれも「あるある」なポイントかと思われるので、Redmineとその他プロジェクト管理ツールを比較する情報として参考にしてもらえればと思います。

注意点
ここから挙げるポイントは「Redmineでなければ実現できない」というものではなく、総合的にRedmineを選択する場合の判断ポイントとなるものなので誤解の無いようにお読みいただければと思います。

1. 社外サービスに機密情報を保管するのに抵抗がある

多くのグループウェアやプロジェクト管理ツールは、その開発企業が運営しているサーバーで運用されるASP型になっており、基本的にデータを社外に保存するタイプです。これが機密情報を扱っている企業にとっては根本的にダメな場合も多いですね。

JAXAもRedmineを導入していますが、機密情報の多さに外部への情報流出は人一倍敏感でしょう。

私たちも(大げさではありますが)外部にアカウント情報や開発ドキュメントなどのプロジェクトデータを出したくなかったので、サーバーインストール型のRedmineを選ぶ理由になりました。

アクセスログやエラーログも取得できる

見ることは少ないかもしれませんが、RedmineはWEBサーバーのようにアクセスログやエラーログを残してくれるので、ログを取得して分析することも可能です。

どこのIPアドレスからのアクセスかも分かるし、何かトラブルが発生した場合もエラーログを見て原因を突き止めることができます。

2. 大容量のデータを扱う可能性が高い

各種プロジェクトを管理する場合に、開発中資料や調査資料、実際のデータで大容量のものを扱う可能性が高いでしょうか?
画像や音声、動画など、容量が多いほどASP型サービスに以下のデメリットがあります。

  • 料金が高くなる
  • 転送に時間がかかる
  • ファイル管理を厳密にしないと怒られる

こういった場合も、Redmineであればサーバーを自社内で用意すれば料金や容量をそれほど気にする必要はありませんし、何よりローカルネットワーク(LAN)内にサーバーを置けるのでダウンロード&アップロードで圧倒的な転送スピードが得られます。

開発中はさまざまなデータが入り乱れるもの。
容量を毎回気にしてデータの取捨選択に時間を取られていては開発もスムーズに進みませんね。

ファイル管理の強力な味方

さらに、RedmineではDMSFというプラグインを導入することで、ファイルの階層管理やバージョン管理、ドラッグ&ドロップによる複数ファイルの簡単アップロード、変更通知のオン・オフ、チケットやWikiからのマクロ記述による参照も可能になり、大容量データの扱いにおいてもストレスフリーな環境が得られます。

3. サーバーを移転する可能性がある

Redmineはプログラミング言語「Ruby(ルビー)」(※厳密には「Ruby On Rails(ルビー・オン・レイルズ)」というフレームワーク)で作られているOSS(オープンソースソフトウェア)なので、様々なサーバーにインストールすることができます。

そのため現在契約しているレンタルサーバー(ホスティング)会社からAmazonのAWSやGoogleのGCPといったサービスへRedmineを移転したいと思った場合でも、バックアップ&(移転先サーバーで)リストアを行うことでサーバー環境の移転が可能になります。

4. プラグインで独自に機能を追加したい

Redmineが他のツールと異なる機能として魅力的なのが、プラグイン導入による独自の拡張機能でしょう。

もちろんプラグインがない状態でも十分使えますが、使っていると「ここはこうしたいんだけど…」というような場面がおそらくやってきます。そこでネットで検索すると多くのユーザーがプラグインの紹介をしてくれているので、インストールしてすぐに機能を追加することができます。

また、Ruby On Rails が分かるプログラマーをチームに引き入れればプラグインを開発してもらい、自社独自の強力な機能を追加することもできるようになっています。

5. 関わるメンバーが何人になるか分からない

ASP型のグループウェアや多くのプロジェクト管理ツールの欠点は、関わるメンバーが増えるとライセンス料が上がってコストが増えてしまうことです。これは成長中のベンチャー企業や、案件プロジェクトでクライアント先や社外のアルバイトスタッフなどに参加してもらう場合に少々ボトルネックとなってしまいます。

Redmineであれば、メンバーは作りたい放題でお金もかからないので、参加人数が不安な会社やグループでは導入の大きなメリットとなるでしょう。

6. 「メールでやりとりしたい」と譲らないメンバーがいる

Redmineでは参加メンバーは各々アカウントを作成し、プロジェクトの中でやるべきこと(=タスク)を「チケット」という小さな掲示板を作って、担当者(メンバー)を切り替えながら返信をし合い作業を進めていきます。

しかし、プロジェクトに社外のクライアント様や外注先の企業、アルバイトスタッフ等が含まれている場合、Redmineに限らず「おたくのグループウェアは分からないので使いたくないんですよね。」「うちはメールでしかやりとりしないよ。」という人にツールの利用自体が拒否されてしまうこともあります。

メールのみでのやり取りもできる

Redmine上では、基本的に上記のようにチケットでやりとりを行いますが、チケットの担当者をその相手にすると、内容が書かれた通知がメールで相手先に届きます。それに相手がメール返信することでチケットに返信したことになり、相手は意識せずともRedmineに参加してスムーズにやりとりができます。もちろん、添付ファイルもチケット返信に同時に添付されます。

相手先からの突然のメールもチケットにできる

では、相手から始まったメールはどうでしょうか?
事前にこちらで相手先のアカウントを登録しておき、相手先にRedmineが管理しているメールアドレスを伝えておけば、そのアドレス宛に送られたメールを自動的にRedmineにチケット登録できます。

チケット返信で担当者を相手先にすればメール返信したことになり、相手はまたそのメールに返信すればチケットも更新される、という自然な運用が可能になります。

7. メンバー間で使いこなせるか分からない

使いこなせなくても大丈夫です。

まずは一人で使うだけでも有用なタスク管理ツールになりますし、Wikiを使えば備忘録としてどこからでも閲覧できます。
慣れてきたら隣の人を誘ってみましょう。

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2017-03-26