MovableType5を別サーバーに移転する方法(SQLiteの場合)
MovableTypeを運用中に別のサーバーにサイトごと移動したくなった場合、どのような手順で行えば良いのか? 実際に行う必要があったので、記録がてらご紹介します。
目次
- 0.今回のシチュエーション(環境)
- 1.現行サイトのファイルを全てローカルにダウンロード
- 2.新サイト用のサーバーに全てアップロード
- 3.mt-config.cgiの修正
- 4.ダイナミックページ用の mtview.php を修正
- 5.MovableType管理画面でブログパスを変更
- 6.ドメインを新サーバーに向ける
0.今回のシチュエーション(環境)
- レンタルサーバー:ハッスルサーバーからhetemlへの移行
- MovableType用データベース:SQLite
- ダイナミック・パブリッシングによる動的ページ表示も使っている
- ドメイン:ムームードメインにて管理
ちなみに、移転の理由ですが、急きょ独自SSLの証明書が必要になったためです。 ハッスルサーバーは格安ですが、SSLが使えないのが欠点なんですよね。
1.現行サイトのファイルを全てローカルにダウンロード
まずは、現在運用されているサイトのトップディレクトリ以下をFFFTPやDreamweaver等のFTPクライアントソフトで全てダウンロードします。
少々時間がかかりますが、頑張って落としましょう。
2.新サイト用のサーバーに全てアップロード
次にダウンロードした全ファイルを新しく運用するサーバーにアップロードします。
アップロードが完了したら次のファイル・フォルダの属性(パーミッション)を変更します。
ファイル・フォルダ | 属性 | 説明 |
---|---|---|
/mt/*.cgi | 755 | MovableType用プログラムファイル |
/mt/db/ | 777 | データベースフォルダ |
/mt/db/mt.db | 666 | SQLiteデータベースファイル |
3.mt-config.cgiの修正
次に、MovableTypeの設定ファイルである /mt/mt-config.cgi も新しいサイトのパスに合わせて編集し、アップロードしてください。 仮に新しいサイトのルートパスが「/path/to/ 」とすると、以下の部分を変更します。
#======== REQUIRED SETTINGS ========== CGIPath /mt/ StaticWebPath /mt/mt-static/ StaticFilePath /path/to/mt/mt-static #======== DATABASE SETTINGS ========== ObjectDriver DBI::sqlite Database /path/to/mt/db/mt.db
4.ダイナミックページ用の mtview.php を修正
MovableTypeのページ表示に「ダイナミック(=ダイナミックパブリッシング)」を使用している場合、そのブログパスの直下に「mtview.php」ファイルが作成されています。
ここにもシステムに依存するパス情報が書きこまれているので、修正してアップロードしてください。
<?php include('/path/to/mt/php/mt.php'); $mt = MT::get_instance(※ブログID, '/path/to/mt/mt-config.cgi'); $mt->view(); ?>
※ブログIDの部分は自分のブログのブログIDを指定してください。
5.MovableType管理画面でブログパスを変更
次に、MovableTypeで作成したウェブサイトやブログの管理画面で「設定」→「全般」に移動し、ブログパスを変更します。
【ポイント】 ブログパスを変更する場合は「絶対パスの使用」にチェックを入れて、ブログの完全なパスを入力しましょう。
サイトの移転はこれで終了です。
6.ドメインを新サーバーへ向ける
最後に、独自ドメインを取得していた場合には、そのドメインの参照先も変更しなければいけません。 ここではムームードメインを例にご紹介します。
新サイトのIPアドレスを確認しておく
ドメインの参照先を変更するには、新しいサイトのIPアドレスを知らなくてはいけません。
今回はhetemlサーバーに移転したので、サーバー管理画面の「アカウント情報」からIPアドレスを確認しました。 他のサーバーでも同じようにIPアドレスの表示があるはずですので、確認しておきましょう。
ドメイン参照先のIPアドレス更新
次に、控えておいたIPアドレスを、ムームードメインのコントロールパネルで「カスタム設定のセットアップ情報変更」を行い、空欄と「www」の指定がされているところにIPアドレスを指定します。(赤枠)
これで設定を保存すれば完了です。
ちなみに、この変更によってドメインやサブドメインの参照先が新サーバーに向けられますが、インターネット全体に浸透するのにいくらか時間がかかるので、早めにやっておきましょう。
SQLiteデータベースファイルで構築している場合はこのようにファイル移動とちょっとした変更だけでサイトを移転させることができます。
2012-01-08