Googleジャパンによる、パンダアップデートの公式勧告

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2011/4/22 にGoogleジャパンのウェブマスター向け公式ブログに「複数のサイトを運営する皆さまへ」と題する記事が掲載されました。

タイトルは柔らかな表現ではありますが、内容を読んでみると正に米国内の12%ものサイト群を恐怖に陥れた「パンダアップデート」そのものの説明です。

追記:2012/7/18にGoogleより、正式なパンダアップデートの告知がありました。

パンダ・アップデートとは?

パンダアップデートとは、Googleがサイトの評価を行う際の計算方式(アルゴリズム)において、次のような特徴を持ったサイトを対象に、大幅に検索結果の順位を下げるように改善された大規模なアップデートのことです。

  • 検索ユーザーにとってあまり価値のなさそうなサイト
  • どこかで既に提供されているコンテンツを再利用しただけのサイト
  • メインサイトにユーザーを集めるためだけに作られた衛星的なサイト(サテライトサイト)

「ドキッ…」と心当たりのあるサイト運営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

Googleは定期的にアルゴリズムのアップデートを行っていますが、特に大きな変更については、社内でユニークな名前を付けられます。 GoogleのAmit Singhalさんによると、今回の「パンダ」というのは、アルゴリズム開発に関わったキーマンにちなんだ名前であるとか。

具体的に影響が及ぶサイトは?

今回のパンダアップデートで影響を受けるサイトをざっと思い浮かべると、OKWaveのデータを再利用している「教えてGoo」や「MSN相談箱」といったパートナーサイト群。

あとはマッシュアップしているつもりで中身が入っていないことが多い「はてな」系のサービスサイトが考えられますね。

ただ、上記サイトは老舗の大手ブランドサイトでもあり、マッシュアップの仕方がうまいこともあって、大きく変化することがないかもしれません。 ただ、コピーコンテンツ自体間違いない部分もあるので、その部分は間違いなく減点の対象になるでしょう。

というわけで、自分で「コピペしたコンテンツが多いかも…」と思っている方は間違いなく対象になると思われます。 ECショップの代理店サイトなんかも、商品説明がまったく本家と同じであれば対象になる可能性が高いです。

ぱっと見た目が「広告だらけ」のサイトも注意!

「価値がない」「中身がない」とGoogleが判断する要素の一つとして今回挙げられているのが、サイトを表示させたときの画面(above the fold)に広告が目立つと落とされるというものです。

特に画像バナー広告がメインコンテンツよりも目立っていると落とされるという報告があり、Googleにはサイトの見た目も評価対象になってきたことが分かります。

パッと表示されたときのエリアがどれくらいなのかは環境にも寄りますが、少なくともXGA(1024 x 768 )の領域は多くのPC環境で表示される領域なので、特に注意して対策したほうが良いでしょう。

どうすれば回避できるのか?

既に上記に該当するサイトを運営している企業や個人の方は早急にサイトを改善させる必要があります。 その方法としては、公式ブログにも度々登場する次の言葉で集約できます。

独自の魅力的なコンテンツを提供すること。

つまり、誰でも引用できる共通のデータベース内のデータを使ったものではなく、独自性のある視点や表現でサイトを構築してください、ということなんですね。

「俺が本家だ!」と自信を持って言えるようなサイトを心がけましょう。

コピーコンテンツが多いんですけど…

そういった方にとっては、変更が大変だと思いますが、テキストの表現方法を変えることで応急処置を行ってみると良いかもしれません。

具体的に言うと、出現頻度が低いが、そのサイトの内容に関わりのあるキーワードを含んだ文章を自分の言葉で言い換えてみます。

検索エンジンは、世の中のサイトに多く登場するキーワードは比較的軽視する傾向にありますが、あまり使われないキーワードは「専門的」あるいは「重要性が高い」キーワードとみなす傾向にあります。

自分だけのコンテンツブランドを作ろう

今回のパンダアップデートの導入は、コンピューターが得意とする反復や複製に真っ向から反対を突きつけるものとなっており、たとえ大規模なサイトであっても容赦なくランクが落とされることが有りうるのが特徴です。

しかし、ユーザーや製作者にとっては比較的好意的に受け入れられているということもあり、今後はこういった方向性でSEOを行って行く必要があるでしょう。

つまり、これまで優雅にコピーコンテンツをつくり続けてきた製作者にとっては、いわば「泥臭い」作業を強いられることになると思います。 あまりに多くの類似ページが作られる時代になり、SEOの世界もコンテンツブランド重視の新しいフェーズに入ったと言えるでしょう。

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2011-05-03